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任意整理のメリットは?

2020年06月11日 | コラム, 借金・債務整理

任意整理とは

任意整理は、債務整理の方法の一つです。

自己破産や個人再生といったその他の債務整理の方法と比較して、任意整理にはこれを定める法律がありません。

端的に言うと、任意整理とは、裁判所の関与なく、当事者が債権者と直接交渉して借金の返済額を減らしていく債務整理の方法になります。その内容は、主に①将来利息のカット②返済計画の見直しです。

今回は、債務整理における任意整理のメリットとデメリットを説明していきます。借金の返済にお悩みの方が今後どのような手続を採るべきか、検討の一助になれば幸いです。

任意整理のメリット

1.借金の取り立てが止まる

任意整理を弁護士に委任すると、弁護士は即座に各債権者に対して債務整理を受任した旨の通知(受任通知)を送付します。

貸金業法上、受任通知を受け取った債権者が直接債務者に取り立てを行うことは禁じられていますので、以後債権者から借金の取り立てを受けることはなくなります。

借金の督促の悩みから解放されるというのが、任意整理を依頼した後に最も早く実感できるメリットでしょう。

2.返済額を圧縮できる

任意整理の最大のメリットは、返済額を圧縮することで、月々の返済が楽になり、また、完済までの道のりを短くできることです。

任意整理においては、各債権者との間で、利息をカットしてもらい、残った元本を分割(概ね3年から5年程度)で返済することを交渉・合意することが基本になります。

例えば、ある債権者との間で現在元本100万円の債務を抱えており、月々2万円の分割弁済を行う約定になっていたとしましょう。

この場合、月々の返済は2万円ですが、この2万円はすべて元本に充当されるものではなく、その大部分が利息の返済です。その結果、元本がなかなか減らず、毎月約定通りの返済を行いながらも完済の目処が全く立たないということがよくあります(通常は、返済を行いながらさらなる借入をしたりしますのでなおさらです)。

他方、任意整理を行った場合、今後発生する利息はすべて債権者にカットしてもらいます。その結果、今後同様に月々2万円を返済するよう合意した場合でも、その2万円はすべて元本に対する支払ということになり、合計50回の分割払いで100万円を完済できることになるのです。

もちろん、月々の弁済額をより低くしてもらうよう交渉することや、月々の弁済額を高くして早期の完済を目指すことも可能です。

3.資産を手放す必要がない

自己破産の場合、所有する財産は、生活に必要不可欠なものを除き、原則として手放す必要があります。これは、財産の売却などによって得られた金銭を債権者に対する配当に充てるためです。

これに対し、任意整理は今後も継続的に返済を行っていくことを前提とした債務整理ですので、所有する財産を手放す必要はありません

不動産や車など、手元に残したい財産がある方にとっては、大きな利点になります。

4.手続が容易

任意整理は、自己破産や個人再生といった他の債務整理と比べ、厳格な手続が不要です。これは、上記のとおり、任意整理が裁判所の関与しない手続であるためです。

自己破産や個人再生の場合は、現在の資産や債務の状況、支払不能に至った経緯などを書面で明らかにしなければなりませんし、住民票や預金の取引履歴をはじめとした資料を裁判所に提出する必要があるため、これらを事前に準備していただかなければなりません。

他方、任意整理は債権者との個別の話し合いですので、こういった準備は一切不要です。債権者との交渉は、合意に至るまですべて弁護士が行います。

5.債権者ごとの柔軟な対応が可能

任意整理が裁判所を通さない手続であることの帰結ですが、任意整理は債権者ごとの柔軟な対応が可能です。具体的には、ある債権者との関係では整理を行い、別の債権者との関係では従前通りの約定で返済を続けるということが可能です。

例えば、個人的にお世話になった方から借金をしており、この方に対する返済だけは何としても約束通り行いたいという場合もあるでしょう。自己破産や個人再生の場合、どのような事情があろうと、ある特定の債権者にだけ弁済を続けるということはできませんが、任意整理の場合にはそれが可能です。

また、借金の種類によっては保証人や連帯保証人が付いている債務もあると思います。このような借金について債務整理を行うと、債権者は、保証人・連帯保証人に対して支払を求めるのが通常です。保証人や連帯保証人に迷惑を掛けないため、保証人・連帯保証人付きの債務に関しては整理を行わず、従前通り返済していくという方法もありうるでしょう。

任意整理のデメリット

1.貸金業者との取引が一定期間不可能になる

任意整理を行った場合、一定期間(概ね5年から7年程度)新たにクレジットカードを作ったり、ローンを組んだりすることができなくなります。これは、任意整理を行った貸金業者との間に限らず、今まで借入を行ったことがない消費者金融や銀行との間でも同様です。弁護士が債務整理の受任通知を送付すると、債務者が返済不能に陥ったことが信用情報機関を通じて貸金業者間で共有されるためです(いわゆるブラックリスト)。

今後新たな借入ができなくなることは、債務の免責を受ける自己破産の場合には理解をしやすいと思いますが、このことは任意整理の場合でも変わらないので注意が必要です。

任意整理をはじめとした債務整理を行った場合、以後一定期間は現金決済が原則となります。現代社会においては、インターネット決済やインターネット通販をはじめとして、クレジットカードの保有がある種当然の前提となっている取引も多数存在しますが、これらが利用できなくなることは予めご理解いただく必要があります。

2.大幅な借金減額は困難

任意整理でカットできるのは、原則として金利相当額であるため、自己破産や個人再生と比較して、大幅な借金減額は期待できません

もっとも、借入期間が長期(遅くとも2010年以前から)にわたる場合には、払いすぎた金利を元本に充当することができるため(詳細は別の機会に改めます)、元本の減額もあり得ます。借入期間が長ければ長いほど元本の大幅減額に繋がり、場合によっては元本もすでに完済していたとして払いすぎた金員(過払金)の返還を求めることができる可能性もあります。

3.誰もが利用できるわけではない

任意整理は債権者との個別の交渉になりますので、債権者が応じるような条件を提示できなければ借金の減額はできません。

任意整理は利息をカットし、残った元本を分割で返済していく方法で合意することが基本になりますが、ポイントは分割弁済の期間です。あまりにも長期の分割となると、履行の確実性に疑問符が付いてしまうため債権者は応じません。

基本的には3年、長くても5年以内の弁済が限度であるとお考えください。

また、上記期間内の弁済を行う前提として、安定かつ継続した収入を得ている必要があります。

まとめ

任意整理は、債権者と直接交渉することで利息をカットし、毎月の返済額を減らす債務整理の方法です。

任意整理が可能かどうかの基準は、借金の元本合計額を概ね3年から5年以内に完済できるかどうかです。ご自身の収入で返済が可能かどうか判断しかねる場合には、是非一度当事務所の無料法律相談をご利用ください。