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自己破産するとマイホームはどうなる?マイホームを失わずに借金を整理する方法

2020年10月20日 | コラム, 借金・債務整理

1.はじめに

借金の返済に窮し、自己破産を検討している方の中には、「住宅ローンの支払は免除されるのか」、その場合「マイホームはどうなるのか」不安に思っている方も多いでしょう。

住宅ローンは、一般的に高額であり、またそうであるがゆえにマイホームへの抵当権という担保が設定されている点で、いわゆる消費者金融からの借入や銀行のカードローンとは性質が異なります。

そこで、今回は、住宅ローンを抱えながら自己破産を検討している方のために、

  • 自己破産をすると住宅ローンやマイホームはどうなるのか
  • マイホームを失わずに借金を整理する方法

について解説したいと思います。

借金の返済に苦しんでいるもののマイホームがあるために債務整理に踏み切れないという方は、ぜひ参考にしてください。

2.自己破産すると住宅ローンやマイホームはどうなる?

(1) 自己破産すると原則としてマイホームは失う

自己破産という手続は、全債権者を平等に扱わなければならないことから、すべての債務を対象にしなければならず、「この債務は免除してもらいたいけれどこの債務は今後も支払い続けたい」といった取捨選択をすることはできません。

そのため、住宅ローンに関しても、自己破産を申し立てる場合には、必ず債権者として列挙し、破産手続の対象にしなければなりません。

その結果、その他の債務と同様、住宅ローンも任意に返済することは許されなくなりますので、結果として住宅ローンを滞納することになり、住宅ローン債権者から残債を一括で請求されます。

破産手続においては残債を一括で支払うこともできませんので、住宅ローンについては、①住宅ローン債権者が、抵当権を実行してマイホーム(建物と土地)を売却し、ローン残額を回収するか、②破産手続の中で、破産管財人が住宅ローン債権者の同意のもと、マイホーム(建物と土地)の任意売却を行い、ローン残額を支払うかのいずれかで処理されることになります。

①②いずれの場合でも、マイホームは手放さなければなりません

例外的に、マイホームを残す方法としては、①②いずれの場合でも、破産者の親族(配偶者や両親など)に買受人になってもらい、以後その親族から賃借して住み続ける方法がありますが、必ず買受人になれるわけではありませんし、親族の方にもそれだけの資力が必要になります。

(2) 残った住宅ローンは免除される

マイホームの価値が抵当権設定後に下落していたりすると、いわゆる「オーバーローン」(ローン残額がマイホームの現在価値を上回っている状態)となり、上記①②の方法でマイホームを売却したとしても、住宅ローンが完済できない場合があります

この場合、ローン残額は破産手続上、その他の債務と同様の扱いを受け、免責決定を受けることで支払義務が全額免除されることになります。

3.住宅ローンの連帯保証人への影響

住宅ローンを設定する場合、マイホームへの抵当権の設定に加え、連帯保証人が必要とされることが通常です。

このようなケースで自己破産した場合、破産者(住宅ローンの主債務者)は上記のとおり、住宅ローン残額について最終的に支払義務を免除してもらえますが、連帯保証人にはこの免責の効果は及びません

すなわち、住宅ローン債権者は、連帯保証人に対し、ローン残額全額を一括で請求することができ、連帯保証人はこれに応じなければなりません。

したがって、連帯保証人の設定されている住宅ローンを抱えている方が自己破産する場合は、事前に連帯保証人に根回しをしておく必要があり、場合によっては連帯保証人も同時に自己破産の申立をしなければならないケースも出てきます。

4.ペアローンで片方が自己破産する場合

現代においては夫婦共働きが当たり前になってきていることもあり、いわゆるペアローン(夫と妻がそれぞれローン契約を行い、互いに連帯保証人になる方法)で住宅ローンを組むケースも増えてきています。

このようなペアローンを組んでいる夫婦において、例えば夫が住宅ローンを支払えなくなった場合、債務が住宅ローンだけであれば連帯保証人である妻の協力を得ながら返済を続けていくということも可能でしょうが、それ以外のキャッシング等の債務を抱えている場合は、やはり夫が自己破産しなければならないケースも出てくるでしょう。

このような場合、マイホームはどうなるでしょうか?

マイホームの半分だけを競売するのは無理なのでは?と思うかもしれませんが、ペアローンの場合、それぞれのローン契約がマイホーム(建物と土地)全体に抵当権を設定していることが一般的です。

そのため、自己破産をするのが夫だけの場合でも、マイホームはその全体が競売の対象となり、やはりマイホームを失うことになってしまいます。

このようなケースでマイホームを失わずに済むには、2(1)の場合と同様、連帯保証人である妻を中心に、親族が買受人になるほかありません

5.マイホームを残すには個人再生

以上のように、住宅ローンを抱えている方が自己破産する場合には、マイホームを失うことが原則となってしまいますので、どうしてもマイホームを手放さずに債務を整理したいという場合には他の方法を考えるほかありません。

それが、個人再生という手続で、この手続の中の「住宅資金特別条項」という制度を適用することで可能になります。

個人再生という手続は、簡単に説明すると、キャッシングやカードローン等一般の債務を大幅に免除してもらった上で返済を続けていく制度になります。

この手続に「住宅資金特別条項」を適用すると、住宅ローン債務については、引き続き(従前どおりの約定で、あるいはリスケをしながら)返済を続けていくことが可能となりますので、マイホームの競売を回避することが可能となります。

個人再生手続については、また項目を改めて詳細に説明させて頂く予定です。

6.まとめ

借金を抱えている人にとって、マイホームを失いたくないというお気持ちは最も基本的なご希望だと思います。

ただ、そうであるがゆえに、対応が遅れ、逆にマイホームを残す形での債務整理が困難となってしまう場合もあります。

負担している債務や組んでいる住宅ローンの内容は、事例ごとに千差万別ですので、今回取り上げた枠には収まらないような事例もありますし、個別の専門的な判断が必要となる場合も多いです。

住宅ローンの返済に少しでも不安が生じた方は、できるだけ早い段階で専門の弁護士に相談することをお勧めします。

当事務所は、費用を気にせずご相談いただけるよう初回相談60分まで無料とさせていただいております。

ぜひ一度お気軽にお問い合わせください。